インラインセル(Bronaugh Cell):特長
PermeGear In-Line cells
インラインセル
基本的な構造
オリフィス(開口部の直径)は標準で3mm~15mmの中から選択でき、旧来からあるBronaugh Cellの代替となります。素材はNeoflon(ネオフロン)を使用しています。また一般にインラインセルとは用途から、フロー型のフランツセルで非常に小さなレセプター容量(250~500μl)を持つものと位置付けられ、その意味でフランツセルの代替とも考えられます。
分解組立が容易なため手入れが簡単
インラインセルでは、そのクランプ方法に大きな特徴が見られます。ユーザーは事前にメンブレン等をどの程度の圧で留めるかを調整できます。ステンレス製のスプリング・クランプに事前にネジで調整した2本の留め金(調整ナット、調整ネジ)をスライドさせ、ドナー・チャンバーの上部を押さることでクランプを行います。クランプに掛かる圧は調整しておけるため、その都度クランプでの押さえ方が異なる状況を回避できます。セルと 1/16 IDチュービングとの接続にはHPLC用コネクターを使用します。
オクルーデットタイプ
図はドナー・チャンバー部分に隔膜やキャップを取り付けるミゾを切ったものです。このタイプのセルは隔膜やキャップなしでも使用できますが、主にオクルーデット状態で使用します。その他用途別にセルを選択できます。
”プラスチック製フランツセル”
通常のガラス製のフランツセルでは吸着等の問題で不都合のある実験に使用されます。いわゆる静置型フランツセルのジャケットなしタイプにあたります。写真はオリフィス5mm、レセプター容量5mのものです。(#3K001-05-05)左側に付いているストッパーを外してレセプター溶液を取り出す構造になっています。(フランツセルのサンプリングポートにあたります。)
メンブレンは水平な板の上に敷かれ、ドナー・チャンバー部分は外気にオープンな形になります。写真(右)はHPLCのフィッティングを装着、チュービングを行ったところです。標準のインラインセルではHPLC用のポート部分にUpchurch Scientific社等で販売する1/4"-28のコネクターに対応したミゾきりを行っています。(#10-32のコネクション対応のミゾも作成可能です。)攪拌にはH1スターラー及びツインフロー・コンバージョン・システムを使用することで2つまでのセルのフローを制御でき、コンバージョン・システムのポートへ恒温層を接続すれば温度の管理も容易です。
Hシリーズスターラー
組み立て方法
①レセプター・コンパートメントを逆さまに置いて、ガラス製の透視窓をレセプターのくぼみにハメ込みます。 | ②くぼみにロックナッツをハメ込み、ピッタリするまでネジ込んでおきます。(過度のネジ込みは必要ありません。) | ③ロックナッツ、ピンを適度な位置に調整しておきます。 | ④レセプター・コンパートメントのトップ(オリフィス部分)に使用するメンブレンを置きます。 |
⑤ドナー・コンパートメントをレセプター側のくぼみに挿入してメンブレンの上に置きます。ドナーの「くびれ」が正面に来ていることを確認します。 | ⑥ステンレス製のクランピング・スプリングを取り付けます。 | ⑦左右のピンをスイングしてスプリングに加圧します。必要に応じてスクリューを微調整します。 | ⑧写真のセル・ウォーマーまたはツイン・フロー変換システム等に取り付けます。 |
インラインセル(Bronaugh Cell):自動化システム
ネオフロン製拡散セルを用いた持続的フローによる経皮吸収・膜透過試験システム
インラインセル自動経皮吸収試験システム ILC-12 PermeGear Automated System ILC-12
■温度管理にヒーティングブロック一体型の専用スターラーを使用。(写真)
■フラクション・コレクターで12のセルから各々最大12ml、16サンプルまでを採取することが可能。
■サンプリングの間隔はプログラム可能。(設定可能な間隔は最大で99.9時間、最小で6分。)
■使用するバイアルは任意で選択可能。 (直径 28mm、20ml用バイアル等に使用に合わせたラックが付属。)
■使用するセルはレセプター容量が250μl(メンブレン・サポートセルでは500μl)と少量でバブルの立ちにくい構造。
持続性フロー方式
PermeGear社製の自動経皮吸収試験システムについては全て以下のような「持続性フロー方式」を採用しています。「全自動化システム」ではない反面、より研究目的に経皮吸収実験を行う場合に高い利便性を有しています。
①ペリスタルティツクポンプでリザーバーよりマニフォールドを通じてレセプター溶液をセルへ。
②セルはヒーターとアルミ製ブロックで35-37℃程度に加温・維持される。(必要に応じ攪拌も行う。)
③セルにレセプター溶液を満たし、泡抜きが行われた後、使用される試料をドナーチャンバーに適用。
④設定された間隔でレセプター溶液がフラクションコレクターのバイアルに採取。
⑤サンプリングが終了した後、バイアルをマニュアルで分析のために取り外す。(HPLCへ)
◆各セルからコレクターへのフローレートは通常毎時0.3~5mlの範囲ですが、一般的には1.5mlに設定します。
◆メンブレンの透過される位置とコレクター側ポートへの距離は通常0.5mmです。これらはフランツ型セル等と比べ非常に短く、透過中に起こるバブルの発生を抑えることに役立ちます。
※1)ここでいう「全自動化システム」ではレセプター溶液を自動でサンプリング後、HPLCへ。その後レセプター溶液分を全量自動で交換します。
システム構成
#10033 専用フラクション・コレクター
#ILC12 ヒーター内蔵型スターラー
#10090-12 ペリスタルティック・ポンプ
#10027-14 リザーバー&マニフォールド1式
*任意のインラインセルより12個選択
仕様
基本構造・方式
・方式:持続性フロー方式
・ポート距離:約0.5mm
・フローレート:0.3-5ml(毎時)
サンプリング(専用インデックス・コントローラー使用)
・サンプル数(1):6個のセルから各々20ml、8サンプル採取可能
・サンプル数(2):12個のセルから各々12ml、16サンプル採取可能
・試験時間:各サンプル最小間隔0.1時間(6分)、最大99.9時間
・使用バイアル(1):標準で20mlを使用。
・使用バイアル(2):専用アダプター使用で1ml、4mlが使用可能。
インラインセル(Bronaugh Cell):関連製品
標準型インラインセル
オリフィス直径3mm~15mmまでを取り揃えています。
写真は直径9mm 品番1K001-09
目的別インラインセル
オクルーデット、デュアルフロー、ネイルアダプター内蔵、イオントフォレーシス等用途に合わせてパターンメイドできます。
写真はオクルーデット&デュアルフロー対応
専用スターラーHシリーズ(H1、H3、H6)
水平セル用スターラーです。写真のツインフロー・システムを装着することで恒温層からのお湯を取り込め、温度管理とマグネットによる攪拌が可能です。
Hシリーズスターラー詳細
写真はH1スターラーに別売りのツインフロー・システムを装着。ILC-14では使用しません。
ツインフロー・システム
装着することで1chのスターラーあたり2つのインラインセルを攪拌、温度管理することが可能です。
変換システムは恒温槽に接続するポートを備えており、既存のスターラーを使用して精度の高い攪拌をインラインセルで行うことができます。
ペリスタルティツク・ポンプをセルに接続すれば、フロー型vs.静置型、攪拌の有無での特徴の違いを容易に比較することができます。
写真のインラインセルは別売りです。ツインフローはILC-14では使用しません。
インラインセル(Bronaugh Cell):規格
規格
製品番号について
製品番号は通常5桁と2桁のコードをハイフォンで組み合わせたものになります。
#1K001-XX 標準型インラインセル
#1K001-XX-VD 揮発性化合物用ドナー/クランプ付インラインセル
#1KM01-XX 交換可能なメンブレン・サポート付インラインセル
#1KMM1-XX ムコーザル用インラインセル
#1K201-XX デュアルフローインラインセル
#1K012-XX メンブレン・サポート
#1K015-XX ドナーコンパートメント/クランプ
#1KS02-XX 揮発性化合物用ドナー/クランプ
※それぞれXXにはオリフィスの直径が入ります。
標準品
品番 |
品名
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|---|---|
1K001-05 |
インラインセル(5mm)
|
1K001-09 |
インラインセル(9mm)
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1K001-11.28 |
インラインセル(11.28mm)
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1K001-15 |
インラインセル(15mm)
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インラインセル(Bronaugh Cell):文献・資料
バリデーション
Validation Protocol of an Automated In-Line Flow-Through Diffusion Equipment for In Vitro Permeation Studies - Cordoba Diaz, Nova, Elorza, Cordoba-Diaz, Chantres, Cordoba-Borrego
使用機器:インラインセル自動経皮吸収試験システム
経皮吸収試験
A Learning System for Pharmaceutical Drug Delivery - Farrell, Hesketh, Savelski, Slater
Transdermal Penetration of Atrazine, Alachor and Trifluralin Effect of Formulation -Brand and Mueller
Decreasing Malathion Application Time for Lice Treatment Reduces Transdermal Absorption - Brand, Charron, and Brand Econail Poster
Effects of Active Suncsreen Ingredient Combinations on the Topical Penetration of the Herbicide 2,4-dichlorophenoxyacetic acid - Pont, Charron, Wilson, Brand
The Impact of Ethanol on the In Vitro Skin Penetration Rates of Caffeine in Engineered Skin Constructs – Pugh, Moyer, Raabe, Harbell and Bagley
Evaluation of Percutaneous Penetration of Natural Rubber Latex Proteins - Hayes, Afshari, Millecchia, Willard, Povoski, Meade
A Novel In Vitro Percutaneous Penetration Model: Evaluation of Barrier Properties with P-Aminobenzoic Acid and Two of its Derivatives - de Jager, Groenink, Guivernau, Andersson, Angelova, Ponec, Bouwstra
A Single Oral Dose of Ethanol can Alter Transdermal Absorption Topically Applied Chemicals in Rats - Brand, Jendrzejewski, Henery, Charron
Development of a Stratum Corneum Substitute for In Vitro Percutaneous
Penetration Studies - de Jager
イオントフォレーシス
A Combination of Iontophoresis and the Chelating Agent 1,10 Phenanthroline Act Synergistically as Penetration Enhancers - Brand, Hannah
爪透過
Ciclopirox Delivery into the Human Nail Plate Hui, Wester, Barbadillo, Lee, Patel, Wortzmman, Gans and Maibach
Enhanced Econazole Penetration into Human Nail by 2-n-Nonyl-1,3-dioxolane – Hui, Chan, Barbadillo, Lee, Maibach and Wester
Enhanced Human Nail Drug Delivery: Nail Inner Drug Content Assayed by New Unique Method - Hui, Shainhouse, Tanojo, Anigbogu, Markus, Maibach, Wester
In Vitro Human Nail Penetration and Kinetics of Panthenol Hui, Hornby, Wester, Barbadillo, Appa and Maibach
In Vitro Penetration of A Novel Oxaborole Antifungal into the Human Nail Plate – Hui, Baker, Wester, Barbadillo, Cahsmore, Sanders, Hold, Akama, Zhang, Plattner and Maibach.
動物代替法
Systematic Testing by the Dermal Route can be Precluded by New Non-Animal Percutaneous Absorption StrategiesKristie M. Stoick, Physicians Commitee for Responsible Medicine, USA 6th World Congress on Alternatives &Animal Use in the Life Science (Tokyo)
使用機器:インラインセル自動経皮吸収試験システム
インラインセル(Bronaugh Cell):FAQ
- Q:Bronaugh cell &インラインセルとはなんですか?また両者の違いは?
- Bronaugh cell はFDAの研究者により考案されたテフロン製の縦型拡散セルでフランツセルの欠点を補うと形で開発されました。基本的にフロースルータイプで非常に低容量のレセプターを備えています。インラインセルはこれらのデザインを改良して現在入手可能なより良い素材に置き換えています。
- Bronaugh cell ではインプットとアウトプット用のアームがそれぞれテフロン製のボディーに埋め込まれています。長年の使用でこれらのアームは緩み、結果漏れの可能性が増します。またテフロンは,その特性上、室温で圧力が加わることで変形しやすい面があり、ポンプ等からのチューブの取り付け、取外しでアームの取り付け部分は少しずつ変形し、結果緩みが発生します。
- PermeGear製のインラインセルでは標準的な1/4-28 HPLCフィッティングをレセプター・チャンバーからの両ポートの接続に使用しています。またBronaugh cellでは底面のガラス製透視窓は埋め込まれているため、取り外すことができない構造になっていました。 6mm厚のガラス製では時としてレセプター・チャンバーを覗きこむのが困難な状態でした。これに対してインラインセルでは1.5mm厚のガラス窓をネジ式ロックで固定することで、レセプター・コンパートメントが非常にユニークな形を形成しています。これによりメンブレンの下側をレセプター側から簡単に覗くことができ、ガラス窓も取り外しての洗浄も容易になりました。インラインセルの材料にはネオフロンが使用されています。
- Bronaugh cell のアームに使用されたKel-Fは強く、長年の使用に耐える素材で吸着における問題もテフロンに比べ少なく、不浸透性を保ちます。インラインセルではさらに様々なドナー・コンパートメント、レセプター・コンパートメントを必要に応じて用意できます。例えば品番#1K001-9-Cのセルは既に長年使用されているCrown社製のTDC-01-9 Bronaugh cellと内部の寸法がまったく同一のため、ユーザーにとって互換性のある実験を継続して行えます。
- Bronaugh cellのクランプではメンブレンの上から直接ネジり運動を使ってクランプを行っていたため、時としてメンブレンそのものもネジれてしまい、破けてしまうことがありました。インラインセルでは独自のクランピング方式により、ユーザーはメンブレンの上からドナー・コンパートメントを留置して独自のスプリング・クランプを使用して固定を行えます。このクランプの圧は事前にナットとスクリューによりドナー・コンパートメント全体に均一な圧が掛かるように調整しておくことが可能です。このため以前Bronaugh cellで起きたような問題はなくなりました。
Q&Aの最終更新日 : 2012-02-13














